二木真希子展に行ってきた
ササユリカフェの二木真希子展に行ってきました。
二木さんというと動物や植物の描写では右に出るものがなく、宮崎さんも絶大な信頼を寄せていたという印象があります。
展示されているものは単純に数だけで言うと過去にササユリカフェで行われたものに比べると少な目ではありました(他が多すぎたとも言えますが…)が、見応えはあります。
アニメ原画だと紅の豚、もののけ姫、ハウル、ポニョ、風立ちぬ。
自然や動物の作画はもちろん見事ですが、個人的に印象深かったのは(アニメーターの上妻さんも書かれていましたが)紅の豚のジーナが駆けていくカット。軽やかで大人の女性らしさもある素晴らしい動きでした。
動画担当者に向けてのコメントも二木さんの動きに対するこだわりを感じさせます。
原画以外だと精霊の守人のイラスト、雑誌用イラスト、小説の挿絵、黒木瞳の詩集の挿絵など。
二木さんが学生の頃に自主制作していたシネカリも見ることができます。フィルムに直接傷を付けてアニメーションさせるのがシネカリです。普通に動いているだけで凄いのに音楽とシンクロしているのに驚かされます。
トトロのイヤープレート(絵皿)というのも毎年二木さんが描かれたものだったようでその存在自体初めて知りました。
さっそくネットで検索したところ、結構なお値段で断念…。
(自分は絶対割りそうだからお皿を買う勇気がないということです)
大平晋也さんによるコメント色紙もありました(おもひでぽろぽろのイラスト付!!)二木さんから刺激を受けたことが書かれており、「骨董屋」にも多少影響を与えているのかなと勝手に想像してしまいました。(骨董屋とおもひでは同年ですがおもひでの方が先ですよね…?)
そして、今回の個人的ハイライト。
二木さんの絵本小さなピスケシリーズです。こちらは原画の展示ではなく絵本自体の展示でした。
恥ずかしながら今回初めて知りました。こんなお仕事もされていたのですね。リス?のピスケを描いた絵本ですが、動物と植物、二木さんの得意なもので埋め尽くされていてこんな素晴らしい本はないだろうと、うっとり眺めてしまいました。
アニメーター出身だからか分かりませんが、この絵本の自然物は実線があるんですね。実線があることで自然物も存在感をしっかり主張していて、背景がただの背景とならず、等しく存在している。動植物を愛した二木さんらしいイラストになっているなじゃないかと思います。
知っていれば速攻買っていたのに、どうやら新刊としては既に売り切れの様子です。残念…。
今回は発売されていない三冊目の表紙絵も展示されていて、リクエストが多ければ出版されるかもしれないとも書いてありました。
復刊.comで二冊目までを復刊させようという動きもあるようです。
自分も投票します!
こちらです↓
絵本としてだけではなくジブリコーナーにも置いてあげればもっと売れるんじゃないでしょうかねぇ。
自分のように知っていれば買っていたような人間が世の中には多いんじゃないかと思います…。
自分が知らないだけかもですが、ジブリ作品の原画を(コピーとはいえ)実際パラパラ出来るイベントは他にはないのではないでしょうか?
その一点だけとっても行く価値ありな展示だと思います。
5月29日まで。
世界の真ん中の木は今でも手に入りやすいです。ササユリカフェさんでも手に入ります!