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しらかわのぶろぐ

アニメスタッフについての雑記が多いかもです…

ステロタイプのセミナー行ってきた

近年アニメOPを手掛けることの多いステロタイプのクリエイティブセミナーを見学してきました。モーショングラフィックスを多用したOPが特徴的で、年々需要が高まっているようです。

代表的なOPは残響のテロル、鋼鉄城のカバネリ、ルパン三世4期、黒子のバスケ二期OP(中澤さん演出)、ギルティクラウンジョーカーゲームなどでしょうか。詳しくは会社のHPをご覧になってください…↓

www.stereotype.co.jp

所謂普通のアニメ畑ではない会社であろうことは知っていましたが、成り立ちは大変面白いものでした。今年で設立20年ということですが、最初はTシャツのデザインから始まり、CDのジャケットなど、音楽関係のデザインを手がけ、アニメやゲームのウェブデザインやロゴデザインを手掛けるうちにアニメOPの映像制作もやるようになったとのこと。近年は背景会社も設立したようです。

 

ディレクターの山下敏幸さんが初めてOPの本編制作に関わったのがサムライチャンプルーとのこと。そういえばそんな名前があったことを思い出した!

グラフィックデザイン:山下敏幸(ステロタイプ

とクレジットされてました。

この当時はグラフィック素材を提供しただけで、ムービー作成は普通にアニメ撮影さんが担当してたようですね。

その後、映像制作スタッフを増やし、山下さん自身もaftereffectsを覚えていったようです。

 

本格的にOP映像全体を手掛けるようになったのは残響のテロル

ディレクションステロタイプ/ 山下敏幸

とクレジットされてます。作画以外は全部ステロタイプで手掛けているらしいです(背景も?なのかな…)

 

今回はここまで。もうちょっと続きます。

フリップフラッパーズの脚本クレジット

フリップフラッパーズ一話、押山さん監督だけあって期待通りの作画アニメでした。
 
この作品が発表されてからずっと気になっていたことがありました。
公式HPのスタッフリストに脚本、シリーズ構成的なクレジットが一切ない点です。
一話を見て更にその謎が深まりました。
OPにも脚本、シリーズ構成のクレジットが載ることもなく
エンディングの後半でストーリーコンセプトとして綾奈ゆにこさんの名前がクレジットされています。
なぜ脚本のメインスタッフ(ですよね…?)がOPではなくEDのみの表記なんでしょうか?
更に一話EDでは、一番最初に出てくるテロップ順が個人的に衝撃でした。
絵コンテ・演出 押山清高
脚本      綾奈ゆにこ
 (以下作画監督と担当制作)
となっていてコンテ演出の下に脚本が来ているのです!
何十年とアニメを見てきましたがこの順番でクレジットされているのを初めて見ました。
脚本、絵コンテ、演出、作画監督を纏めてクレジットするスタイルの場合、脚本より演出が前にクレジットされることはこれまでなかったはずです。それはもう慣例として定着しているように思えます。
それをわざわざ逆にクレジットするということは色々勘ぐられてしまうのも仕方ないのではないでしょうか…?ってそんなん気にする人間はわずかですね、はい…。
 
これとはちょっと違いますが以前エウレカセブンAOのメインスタッフがアニメ誌で発表された際も脚本系のスタッフ表記がなく、どういうことだろうと気になってOAを見るとストーリーエディターとして会川さんがクレジットされていて単に表記漏れだったのだろうかと感じたことが。他にもこんな作品あったような気がしますが今は思い出せません…。
 
関係ないですが、動画チェックで佐藤可奈子さんの名前を発見。アニメスタイル007の蟲師の動画監督の仕事で取り上げられていた方ですね。非常に動画も丁寧でした。原画スタッフも豪華になりそうですが、動画的にも質の高い作品になりそうです。

「君の名は。」の回想シーン処理

君の名は。」の映像処理で個人的に最も気になったのは、中盤で瀧が祠の中に入った後トリップする?ようなシーンですね。

エンドテロップなどを見るとどうやら回想シーンと名付けられているようなのでそう呼びます。

回想シーンはどうやら独立したパートになっているようで回想シーンの「演出・作画・撮影」として四宮義俊さんという方がクレジットされています。

↓四宮さんのサイト

四宮義俊 / SHINOMIYA YOSHITOSHI official site

プロフィールを見ると、本業は日本画家さんで映画などの仕事もされているようです。アニメでは言の葉の庭のポスターイラスト、背景などを担当されているようです。

 

この回想シーン、大まかに二つの処理で構成されているようでした。まずはキャラクターが通常のセル塗り(べた塗り)ではなく、細かくタッチが入れられていて、フレデリックバックのような…というと言い過ぎかもしれませんが、たぶんデジタルの自動処理では不可能で、一枚一枚地道にレタッチしていってるのではないかと思われます。その労力を考えるだけで途方にくれます。

もう一つは本編映像をBANK的に使用している箇所です(新規カットもあったように思えましたが)。こちらはタッチを加えていく手法ではなくセル塗りをベースに色替えや撮影処理を入れていく感じでした。複雑にノイズ等の処理を加えているので、大変見応えある映像になっています。

商業アニメでは見たことのない、まるでアートアニメを見ているような感覚に陥ります。ブルーレイが出たら何度も見直したいと思えるシーンでした。

 

思うに新海作品では星を追うこども、言の葉の庭で回想シーンがあり、どちらもセピア色で処理されていました。前者では漫画ナウシカのような斜めタッチ線を入れることで、後者ではノイズとグロー感を出すことで回想感を出そうとしていました。多分これらは撮影上で出来る範疇での処理ですが、今回監督は純粋なアニメ畑ではない四宮さんに回想シーン(厳密に言うと今回のは回想シーンではないんですが…)を振ることで映像的な広がりを求めたのかもしれません。

などと思いつつ、ユリイカの新海監督インタビューを読むと、監督の想像以上のシーンになってしまった、的なことが書かれていたので、本来はもっと普通のセルアニメっぽい処理を想定していたのかもしれません。確かにあそこは急に違う次元にいってしまった感じがありました。そういえば沖浦さんの作画担当パートも違う次元でしたね(笑)。

 

四宮さんのサイトを見ていると、過去に作られたアニメもありました。

www.youtube.com

↑色使い(エメラルドっぽい感じ)や塗りの表現がもう既に「君の名は。」とそっくりで、同じ人が作られていることが分かりますね。

 

www.youtube.com

こちらは背景が言の葉のポスターっぽいですね。

それにしてもこれ作るの、大変そう…。

 

現在発売中のEYESCREEM増刊「新海誠、その作品と人」では美術スタッフ座談会の一人として四宮さんが参加されていますが、君の名はでどういう仕事をされているかは全く書かれていません(笑)。そこが読みたかったのに…。どこかでしっかりとしたインタビューや解説などがあるといいのですが…。

コンテでどこまでこのシーンが設計されていたのかも気になります。絵コンテ本…を出す労力よりはブルーレイに監督が作られたビデオコンテを付けて欲しいですね。監督が声を当てているようなのでそれも大変気になります(笑)

 

 

何か変なことを書いてましたらご指摘宜しくお願いします…。

ペイント・オン・グラスのインタビュー

先日モブサイコ100のペイント・オン・グラスとは何ぞや?といったことについて書きましたが↓

モブサイコ100のペイント・オン・グラス - しらかわのぶろぐ

早速その謎が解明されましたね。

アニメ!アニメ!さんありがとうございます。

 

インタビュー記事はこちら↓

animeanime.jp

 

監督と佐藤さんが旧知の仲だった訳ではなく、油絵アニメを作れる人を探していた、という話のようなので、最初から普通のセルアニメだけではない作画を模索していたということですね。

 

アニメ!アニメ!さんではOPについても取り上げられていてこちらも謎が氷解しました。

「モブサイコ100」オープニング映像誕生秘話!立川譲×亀田祥倫×依田伸隆スペシャル座談会 | アニメ!アニメ!

最近のアニメOPは今回モーショングラフィックとしてクレジットされている10GAUGEさんもそうですが、普通のアニメ撮影(会社)以外の会社が担当されることが多くなって、ただカットを繋いで並べました、というものじゃなく、ミュージックPVのようなモーショングラフィックスであったり複雑でカッコいいタイポグラフィ(文字のアニメーション)が要求されるようになって来ているように思えます。

こういったOPはどこからどこまでが演出の範疇なのか、撮影の範疇なのかよくわかりにくくて、このあたりはまた別の機会に書きますが今回は撮影も含めて10GAUGEさんに委ねられていることが分かりました。

今回のOPのようなものはコンテで設計するのは難しそうで、従来のようにコンテで全て設計しているのなら立川監督はすげーな、と思ってたのですが、やはりある程度をコンテで描いた後はお任せしているということで納得しました。

 

OPEDのインタビューをされている細川洋平さん、どなたかなと調べてみたところ、役者で劇団を主宰されている…と出てきたのですが同性同名…ですよね?ただ、ライターの仕事をしているともあったので片手間にこんなお仕事もされている…んでしょうかね…?

それはさておき、こういったインタビューは今のアニメ誌ではやってくれなさそうなので今後も期待しております。

 

 

大平晋也展に行ってきた。

ササユリカフェさんの大平晋也展を見てきました。

 

好きなアニメは何かと聞かれたら色々あって一つだけ答えるのはかなり難しいのですが、たぶん一番見ているアニメだと思うのでこう答えると思います。

THE八犬伝新章4話「浜路再臨」です。

何を大げさな、と思われる方も大勢いらっしゃるかもしれませんが、この作品(のこの回)はアニメの革命だと思うんですよ。これまでのアニメでは見たことのない表現に満ち満ちていて、何度見てもその思いは変わりません。斬新な表現というと当時は新しくても時間が経つと古臭く感じてしまうことが多いですが、新章4話に関して言えば25年経った今でも色褪せていない、斬新であり普遍的なアニメーションだと思っています。(ちなみにその表現も「骨董屋」から始まったものだと言えるのかもしれませんが自分は見るのが逆だったせいもあり、新章4話のインパクトが強いです…)

 

前置きが長くなりましたが、その新章4話の演出を担当された大平さんの仕事がたっぷり見れて自分には至福の時間でした。

展示されている原画、資料を挙げてみます(記憶で書いていくので間違いあるかもしれません…それと作品名挙げてしまって問題あれば指摘くださいませ…)

ガリアン原画、エンゼルコップ原画2カット、八犬伝一話資料・原画、骨董屋設定、原画、ユンカース設定、紅の豚原画、八犬伝新章4話ラフ原画・設定・コンテ、千と千尋原画、お伽草子原画8カットくらい?、ハウル原画、レッドライン原画8カットくらい?、虹色ほたる原画6カットくらい?、ももへの手紙原画6カットくらい?、風立ちぬ原画、西荻窪原画4カットくらい?、同人誌パラパラ漫画生原稿など。

 

こないだのトークショーで来られた際の感想イラスト(自画像が上手い)、お手紙も展示してありました。

 

年代を追って見ていくと、大平さんの画風(作風)の変化の過程がまざまざと見れて非常に面白いですね。どんどん線がヘロヘロになってきて線だけでなくタッチ原画(ブラシ表現?)が増えて来ますが、昔から変わらないのはその原画の分厚さ!パラパラめくってるうちに、自分の運動不足なせいか腕が痛くなって来るほど(笑)。

それと、どの絵もいちいちカッコいい。正直自分はアニメーターではないのでパラパラめくっていても、何が何だかよく分かってない部分があります。たぶん演出さんも、動画さんも、仕上げさんも相当気合入れてチェックしないと解読は難しいんじゃないかと思われます…?

ちょっとやそっとパラパラしてみたところで、理解は出来ないものの一枚一枚の絵がカッコいいので見ていて非常に気持ちいい。

 

近年の大平さんはタッチ原画?ブラシ原画?を多用して、普通のセルアニメ表現(線とベタ塗り)を越えようとしていて、もはやアートアニメの域に達していますが、願わくばこの味のある線がなるべく生かされた形で視聴者の目に触れられるとありがたいのですが…。

とりとめない感想になってしまいました。

 

帰りに入手出来ていなかった大平晋也資料集2はまじを購入。はまじのコンテ、資料、新規イラストが収録されているという自分には夢のような本です。ありがたやー。

 

大平晋也展は9月4日(月)まで。満員の可能性もあるので予約してから来店するといいかもです! 

 ↑こちらの本にも大平さんの原画が収録されております。眼福です

大平晋也さんトークショー

今月半ばの話ですがササユリカフェさんの大平晋也沖浦啓之さんトークショー行ってきました。大平さんは個人的に最も好きなアニメーターさんの一人で、生でご本人に会える機会は限りなく低いので気合を入れて先着順のメール申し込みをしたのでした。

 

詳しい話の内容については書きませんが、お二人(本田雄さんも参加されてたので三人か)が仲良さそうに話されてる姿が微笑ましかった。大平さんは沖浦さんのことを「おっくん」と呼んでいたし。よく考えると二人ともお、から始まる苗字なんですが、沖浦さんは大平君と呼んでました。

大平さんと沖浦さん。作画マニア的には対極、とまでは言わないものの、両者ともリアルな動きを目指しているんでしょうが、アプローチの仕方が違っているのでイノセンス等で一緒に仕事はされることはあっても仲が良い、というイメージではなかったんですよね…。

でも今回のトークを聞いていると、お二人が出会ったのは20代前半のAKIRAで、それ以前にも大阪と東京で一緒の仕事をしていて名前は知っていたりして、腐れ縁とはちょっと違うかもしれないけど、ところどころで一緒に仕事をする戦友といった存在なんでしょうね。あの時代の作画さんには同じような横の繋がりを感じますが。

近年は作画を極めていきたいアニメーターさんには生き辛い世の中なんだろうと思いますが、最後にはまだまだ頑張って行きたいという宣言もあって、聞いてるこちらが励まされたような気分になってしまいました。

昔の話が長くなって最後の方が駆け足気味になってしまったのでもう一度このような機会を設けてくれるとありがたいです。

そういえば、お互いが相手の作画に対してどう思っているのか是非お聞きしたかったなぁ。質問時間がもう少しあれば…。

 

 

 

初回限定生産 Genius Party Beyond BOX (4枚組) [DVD]

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モブサイコ100のペイント・オン・グラス

モブサイコ100、面白い技法(決して新しくはないけれど、今見ると逆に新しく感じてしまうものもあったり)が多く、毎週観ていて飽きません。

中でも最も面白く、謎と感じたのは

ペイント・オン・グラス 佐藤美代(Yellow Workers)

のクレジット。

ペイント・オン・グラス?グラスの上にペイント…?

老人と海」みたいな手法ですかね…?

 

ちなみに、「老人と海」のロシアのアレクサンドル・ペトロフさんがガラスに油絵の具を指を使って描いたアニメ作品です。動画枚数は2万9千枚!聞いただけで気が遠くなりますが、圧巻の作品です。未見の方は是非。

 

脱線しましたが、モブサイコ100のペイント・オン・グラス(以下POG)はどういうところで使われているかというと、最も分かりやすいのはエンディングですね。これは佐藤さんが全てPOGで作成してるんでしょうね。本編だと例えば二話、女子高の体育館で悪霊退治?した後、恨み言を言って消え去る悪霊のあたりですね。

普通のセルアニメの技法では絶対に出来ない面白い表現です。

 

POGが実際にガラスの上に描くアナログな手法で制作されたのか、或いはデジタルで似たような雰囲気を再現したのか気になっていましたが、ちょっとググってみただけで解決されました。

 

佐藤美代さんのブログ?

http://miyosato02.tumblr.com/

””ペイント・オン・グラス(ガラスの上に絵の具)のアニメーションパートで参加しております””

とご本人が書かれていました。

東京藝大出身でペイントオングラスや砂のアニメーションを作られてるようですね。aftereffectsやphotoshopも使われるようですが、今回バリバリアナログなアニメーションなんでしょうね。

 

一体どういう経緯で佐藤さんが参加することになったのか、非常に気になるところです。どこかで記事になったりしないかな…。